屋根の雨漏りで葺き替え工事をする時、屋根瓦を違うものに変えたい、と考える方もおられるでしょう。しかし、屋根瓦には種別によって適正な屋根勾配と言うものがあります。
- 【屋根勾配とは?】
- 屋根勾配とは、水平に対する屋根の傾きのことです。例えば、水平に1mの距離で10cmの高さになる時を1寸勾配といいます。同様に、1mの水平距離で1mの高さですと10寸勾配となり、角度では45度となります。
- 【既存の屋根勾配で選べる屋根材】
- 屋根瓦種別による勾配は、金属屋根の勾配が最も小さく、続いて平板のコロニアル、そして和瓦などの波型瓦の順に勾配が大きくなります。具体的な勾配としては、それぞれに1寸、3寸、4寸が最低勾配となります。これは、屋根瓦の隙間に雨水の入りやすいものほど勾配を大きくし、入った雨水を重力の力で逃しやすくし、雨漏りの危険を最小限にするための工夫なのです。
- 【まとめ】
- 従って、3寸勾配でコロニアルだった屋根を和瓦への葺き替え工事をすると、雨水は瓦の間により入りやすく、より抜けにくくなるため、雨漏りを誘発します。また、屋根勾配が4寸で和瓦の勾配範囲であっても、元のコロニアルから和瓦にすることは勧められません。理由は、コロニアルの比較的軽い屋根材で落ち着いていたものを重い和瓦にすることで、建物に思わぬ不具合が出てくる可能性があるからです。從って、屋根の雨漏りによる葺き替え工事では、同種類の屋根で葺くことが基本です。